六道珍皇寺は平安の昔、「鳥辺野」と呼ばれた葬送地への道筋の入り口付近にありました。そこで、この辺りがあの世とこの世の分かれ道で、冥界との出入り口「六道の辻」とも呼ばれていました。よってお盆のご先祖さまは必ずこの辻を通り家に帰ると信じられ、この場所にお迎えに詣でる風習が始まったのが「六道まいり」の由来です。京都の盂蘭盆行事ではまず珍皇寺へまいり、迎え鐘をついてお精霊(おしょらい・先祖の霊)さんをこの世にお迎えします。この鐘の音(ね)はあの世まで響くとされ、ご先祖さまの魂(みたま)はこの音を聞いて境内参道で各々が求めた依代(よりしろ)とされる高野槇の葉に乗り、一年振りの帰省をされるのだそうです。